2008年11月12日水曜日

葉山別荘ツアー。

お友達に誘われて、葉山環境文化デザイン集団主催の
葉山別荘ツアー」に日曜日に参加してきました。

「葉山別荘ツアー」とは、

葉山には、御用邸のおかげで?別荘がたくさんあり
その中には歴史的にも文化的にも重要なものが多く
その中でも最も風格のあった地区を午前10時から3時間くらいの
行程で散策し、葉山の別荘というものを紹介すると同時に
保存活動をしていくというもの。かな?話を聞いた限りでは。

ツアー料金は、ガイド代2000円と
昼食が付いて1名あたり5000円ちょっと。

私が葉山を訪れるのは、3回目。
前の2回の印象は、藤沢に住んでいる友達に
葉山にある、レストラン「マーロウ」のプリンを食べに
連れて行ってもらったり、海の近くをドライブしたりと
海がメインの町なのかな。といったところ。

相方の弟さんは、将来葉山に家を持ちたいらしく
「葉山は良いよ〜葉山は良い!」
とことあるごとに力説。でもよくわからない。
海の側の町なんて、日本全国どこにでもあるし、

葉山の魅力ってなんだろう。

確かに、おしゃれなお店もけっこうあるし
住んでいる人の意識も高い方が多そうなイメージ。
でも駅から遠いし、交通面は不便そう。
何にそんなに惹かれるのか?

と、葉山の魅力を少しでもかいま見る為に
ランチがてらのツアーへ。

朝、10時に御用邸前のバス停でガイドの人と待ち合わせ。
御用邸があるから上品?なイメージがあるのかな。

そこで会ったガイドのシャポーさんは、一言でいうと・・・
パワフル!
彼女と会ったことでこのツアーが変わっていて、面白いものに。

日曜日の短時間だけれど濃すぎるツアーの内容は書ききれないけど
とにかく、もし葉山を散策してみたい人がいれば
このツアーが断然オススメ。でも、几帳面は方には向いていないかも
若い殿方もいればかなり喜ばれます。
30過ぎてても若者扱い。笑

今回のメンバーは、庭師さん2名とデザイナー3名。
建築系の人は、より楽しめるような気もしました。

別荘ツアーのはずなのですが、寒いのも手伝って、
まず最初に、葉山珈琲「Pappa Nino」でお茶からスタート。

ここの珈琲。今迄飲んだ中で一番美味しかったかも!!
ご主人自ら入れてくださいます。

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知らなかったけど、お湯を注いでる時の泡は、灰汁らしいです。
美味しく入れるために、まず、注いでいる時にもアクをすくい、

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ドリップ後も、撹拌して最後にでるアクも取り除きます。

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すると、コクがあって、深い味わいの珈琲に。

ちょっと感動の一杯でした。

珈琲の入れ方は、HPにも載っています。
Online Shop で豆も買えるみたい。

使われている豆は、世界の生豆取扱高トップを誇るスイスの
「Volcafe(ボルカフェ)」社より直接調達されている珈琲豆。

私が頂いたのは、
マイルドな「パッパニーニョ・ブレンド」でした。

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その後、サービスで頂いたココアもすごく美味しくて。
自分用に購入してしまいました。

珈琲のおともにチョコを出してくださったり、
とても居心地の良い空間でした。

ご主人の二宮 寛さんは、以前サッカープレイヤーで、
日本代表の監督だったこともあるそう。

しかもこのお店に隣接するご主人のお宅は、
旧若狭藩主酒井家の江戸屋敷の隠居所を移築した、
非常に風格のあるものだそうで。確かに素敵なお住まいでした。

体も温まったところで、何軒かの別荘と葉山の小道を散策しました。

葉山には、家の敷地に3本以上木を植える条例があるらしく、
どこのお宅もなかなか庭の手入れが行き届いています。

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旧中西進別荘(現ブルーミング中西葉山寮)

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心に残ったのは、入れなかったけど、「遠藤 新」建築の別荘。
遠藤さんは、フランク・ロイド・ライトに学び、
ライト建築の正統な継承者として多くの作品を残した建築家。

この別荘にもライトな感じがただよっていて素敵でした。
でもこの別荘は、持ち主の方の意向で
今は手入れもされず朽ちて行くのを待つだけらしく・・・残念!

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別荘散策の後は、お昼ご飯をいただく「本ふじ」さんへ。

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完全予約制のこちらのお店も、もともと別荘として建てられた建物で
建具や欄間の細工が素晴らしく、お部屋自体の空間が素敵でした。

この別荘を建てるにあたって、
金にいとめはつけないと施主がいわれたくらい
建物にも、庭にもこだわって作られたそうです。

女将さんは、この別荘を建てた方の娘さんで、
戦後、この別荘がアメリカ軍に接収されたらしく
20年後に返してもらった時には、釘で穴をあけられていたり、
土足での生活後の床や、油のしみこんだ天井など、
元の状態に戻すのが大変だったそうです。

でもこの別荘はまだ良い方で、
中にはペンキを塗られたりされていた別荘もあるそうで・・・

こじんまりとしているのだけど、手入れの行き届いた空間。
女将さんの思いが感じられるようでした。

ツアーだったからこそ、そういうお話を聞くことができて。
なんだか深いお食事になりました。こちらのランチは3500円。

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お料理もどれも美味しくて、どんどん出てきて、

最終的には机にのりきらない程。

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素敵なもてなしと、好きな人達と囲む食卓。
なんだか、しみじみ幸せだなぁと思えるランチでした。

本当なら、ここでツアーは終了だったのですが、
ガイドさんが、午後もつきあってくださるとのことで、

このツアーの主催者の一人、
建築家の「杉浦 敬彦」さんの
自宅を訪問させてもらえることに。

杉浦さんは、かの有名な「磯崎 新」さんに指事していたらしく
帰宅してから、彼の著書を拝見してみると凄い方で・・・恐縮

お宅は・・・・もう。なんていって良いか。
急にお邪魔して、写真パシャパシャ撮るのも失礼なので
少ししか載せられませんが、

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海が一望できる高台に建つ素敵なお宅!!

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環境や、眺望もだし。
ご自分で自分の為に自由に設計されただけあって
随所にアイデアが盛り込まれていて。ため息の連続。

しかもハコだけでなく、
家具やその他のインテリアもこだわってらっしゃって
ル・コルビジェシェーズロング や、Bang & Olufsen ・・・

さすがの一言です。

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掲載されていた雑誌も拝見させてもらったのですが、
そこに総建築費や坪単価も書いてあって・・・涙。

やっぱりお金って・・・

まぁ、お金はともかくとして。

お話を伺いながら、前から思っていたことだけど
家の満足度って、建物も大切だけど、住むまわりの環境にも
だいぶ影響されるなぁとしみじみ実感しました。
杉浦さんのお宅が、もしあの土地に建っていなかったら。

また違う印象だと思うし。

もしも、もし。2軒目が建てられるとしたら、
今の家よりもっと満足いく家が建てられそう。

とはいえ、小さくても、眺望がそんなでもなくても、
駅から遠くても、土地があまり好きでなくても、満足してる。
そしてこれからも満足いく家作りをしながら暮らしていこう。

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やっぱり葉山珈琲のココア、美味しい。

葉山の魅力は、海や山といった自然だけでなく
そこに葉山を愛している人達がたくさんいて、

葉山を守ったり、良くするためにたくさんの活動して
そこから生み出されているものなのかも。

まだまだ素敵スポットがあるらしいので、また行こうっ。